無料の野毛山動物園だけじゃない!野毛山公園の見どころ徹底解説~展望台や遊具広場
横浜の野毛山公園と言えば、園内にある無料の動物園「野毛山動物園」が有名ですが、全面積9.1ヘクタールの公園には緑豊かな散策地区、展望台やバスケットコート、遊具広場を備えた展望地区もあり散歩コースには最適です。今回はそんな野毛山公園の見どころを紹介します。
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野毛山公園/野毛山動物園へのアクセス
定番の行き方としては横浜駅や桜木町駅からバスで行くのが便利です。
◆電車でのアクセス
JR京浜東北線・横浜市営地下鉄「桜木町」駅下車徒歩15分
京浜急行線「日ノ出町」駅下車徒歩10分
◆バスでのアクセス
市営バス89系統(ぶらり野毛山動物園BUS)「一本松小学校」行き「野毛山動物園前」下車
野毛山公園とは
野毛山公園の開園は1926(大正15)年。1876(明治9)年開園の横浜公園や1914(大正3)年開園の掃部山公園に次ぐ歴史ある公園です。
明治時代は日本人の豪商たちの住宅地でしたが、1923(大正12)年に起こった関東大震災で被害を受け、復興事業の一環で公園となりました。野毛山動物園の開園は1951(昭和26)年。戦後公園内にプールや遊園地があった時代もありましたが姿を消し、2014年に現在の野毛山公園の形となりました。
面積は約9.1haあり、「散策地区」「展望地区」「野毛山動物園」の3エリアに分かれています。野毛山動物園と合わせて約250本の桜があり、桜の名所としても知られています。
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野毛山公園(散策地区)の見どころ
野毛坂側から野毛山公園へ。
横浜市中央図書館や野毛山動物園に向かう坂道を左手に眺めながら散策地区に入ります。
野毛山公園の散策地区は木々に囲まれた横浜ランドマークタワーが見える芝生広場や、
日本庭園風の池がある広場などがが設けられた静かな公園です。
整備状況としては若干ワイルドな印象もありますが、季節の花々や夏の新緑を楽しむことができます。
園路をめぐって北方向に坂をずっと下っていくと、遊具が設置された子供の遊び場があります。散策地区の外れに位置しており、散策目的で足を伸ばすには効率がよくないのですが、遊具のある公園を探している方がいらっしゃるかもしれないので参考までに。
また、野毛山公園の散策地区には幾つかの記念碑がありますので紹介していきます。
中村汀女句碑
昭和期に活躍した女流俳人・中村汀女(1900~1988)による「蕗のたう おもひおもひの 夕汽笛」という句が刻まれた石碑があり、横浜の野毛山公園で詠まれた句といわれています。
大蔵省官吏を夫に持つ中村汀女が、1930(昭和5)年から西戸部税関官舎に移り住み、よき時代の横浜をこよなく愛し、数多くの名句を詠んだことが横浜との縁になっているようです。
隣に記念碑があり、中村汀女が創刊・主宰した俳誌「風花」が1973(昭和48)年に句碑を建立した所以が記されています。
ラジオ塔(公衆用聴衆施設)
中村汀女句碑の近くの園路脇の斜面に石灯籠のようなものが建っています。これはラジオ塔と名づけられた記念塔です。
案内版によると、このラジオ塔はラジオの聴取契約者が100万人を越えた記念に、日本放送協会が昭和7年に全国の著名な公園や広場に立てる計画が進められ、昭和7年度から昭和8年度中に41ヶ所が完成して、その中に野毛山公園も選ばれ建塔されたものということです。
当時はラジオが重要な情報発信源だったという証かもしれません。
佐久間象山顕彰碑
中村汀女句碑とラジオ塔とは少し離れた場所に佐久間象山顕彰碑があります。
佐久間象山(1811~1864)は横浜開港を唱えた人物として知られています。「横浜開港の父」との呼び名もあり、ペリーから敬礼を受けたただ一人の日本人ともいわれています。
顕彰碑は1954(昭和29)年、開国100年を記念して建立されたものです。
野毛山公園(展望地区)の見どころ
野毛山動物園入口横から「野毛のつり橋」で道路を渡ると野毛山公園の展望地区です。
旧野毛山貯水池があり、ヘンリー・スペンサー・パーマー碑、野毛山公園展望台、オリンピック競技会場記念碑などが設置されています。バスケットコートや芝生広場、遊具広場もあります。
野毛のつり橋の竣工は1971(昭和46)年。展望地区は当時遊園地があった場所で、動物園と遊園地で遊び場が二分されている状況が危険ということで歩道橋が設置されたそうです。
旧野毛山配水池
古風な字体で「野毛山配水池」と書かれた施設。門が閉ざされており、公園の中で立ち入りができない謎の一画となっています。公園内の案内板には「旧野毛山配水池」とあり、現在使われていないことがわかります。
配水池は水の備蓄の役割を持つ施設です。
閉鎖された敷地内に2つあるドームの真下には貯蔵プールがあるそうです。
旧野毛山配水池は1930(昭和5)年に運用が開始され、老朽化などの事情から1995(平成7)年に使用が終了しました。現状は放置で廃墟状態といったところでしょうか。
ヘンリー・スペンサー・パーマーの胸像
フェンスで囲われた旧野毛山配水池の傍らに「近代水道発祥の地」碑とともに、日本で初めての近代水道を完成させたヘンリー・スペンサー・パーマーの胸像があります。これらの碑は横浜水道創設100周年を記念して建立されたものです。
パーマーは1838年生まれのイギリス陸軍の工兵少将です。神奈川県から水道工事を一任され、この地に浄水場の必要性を説き、1887(明治20)年に日本最初の近代水道が創設されました。
パーマーの浄水場のおかげで横浜にキレイな水が届くようになりましたが、浄水場は関東大震災により壊滅。その跡地に旧野毛山配水池が作られたのです。
野毛山公園展望台
野毛山配水池の南側に展望台が設けられています。2011年にリニューアルされた展望台は3階建てでエレベーター付き。まだ綺麗な雰囲気を残した建物で、お手洗いもあります。
階段で上っていくと2階部分に「野毛山公園のあゆみ」と題された解説オブジェがあり、遊園地やプールがあったころの野毛山公園の写真を見ることができます。
展望台からはランドマークタワーや横浜の市街地を見下ろすことができます。展望台には「吉田新田ができるまで」「横浜のまちづくり~開港と町の広がり~」と題された解説版もあり、今の眺望から昔の風景を想像することができるようになっています。
冬の夕暮れ時に見えた富士山。
オリンピック競技会場記念碑
野毛山公園の展望台近くに設置されている記念碑です。
1964年東京オリンピックの予選が横浜で行われたことを記念して1966年に彫刻家・堀野秀雄氏が作成したものです。
バレーボール、バスケットボール、サッカーのレリーフが各面に彫刻されています。バレーの面は逆台形型のように見えますが、バスケとサッカーの面だと台形型に見えるのも特徴です。
芝生広場とバスケットコート
3on3バスケットコートや芝生が広がる広場。
バスケットコート近くの小芝生広場にはバラ花壇があり、シーズンになると開港150周年を記念したバラ「はまみらい」も見ることができます。
その奥には大芝生広場が広がります。無駄とも思える広さがありますが、実は下に現行の地下配水池が設置されているというから驚きです。1967(昭和42)年、旧配水池の隣に「新野毛山配水池」を造り、徐々に役目を移行していったそうです。
遊具広場
野毛山公園の展望地区の一番奥に遊具広場があります。散策地区の子供の遊び場よりも広くて独立した公園のようです。
野毛山動物園
野毛のつり橋で野毛山動物園へ。
動物園の開園は1951(昭和26)年と最初の方で触れましたが、2021年4月1日に開園70周年を向かえた野毛山動物園です。
入園料は無料。
開園時間は9:30~16:30(入園16:00まで)毎週月曜日が休園日となります。
野毛山動物園で見られる動物
坂が多い園内に100種類以上の動物がいます。サル、キリン、ライオン、ペンギン、クジャク、デカい鳥、爬虫類など幅広い種類の動物を鑑賞することができて、無料の動物園にしてはとても充実していると思います。
レッサーパンダは目の前に柵が無いので、可愛い姿をダイレクトに観察することができます。レッサーパンダを見るなら「よこはま動物園ズーラシア」より野毛山動物園がおすすめです。
「しろくまの家」の文字通り、動物ではなくて「家自体」が展示対象になっているコーナーがあります。いつ来てもシロクマがいないというのは寂しい感じがしますが(昔はいたそうですが)。シロクマのオブジェがあるので、一緒に撮影したりはできます。
なかよし広場
モルモットやネズミ、ヒヨコなどの小動物と触れ合える「なかよし広場」。
時期によっては開催されていなかったり、整理券方式になっていたりするので、利用の際は事前に確認することをおすすめします。
広場の近くには屋根付きの休憩スペースがあり、お弁当を広げることもできます。
野毛山動物園の園内の様子
入口に撮影広場があります。背景は季節のアレンジが加わることもあります。
レッサーパンダ舎の近くの広場からはランドマークタワーが見え、冬はクリスマスツリーが飾られます。こちらも撮影スポット。
管理事務所近くの外周側に、昔の横浜市内を走っていた市電と言われる路面電車が展示されています。市内各所を走行、野毛坂でも昭和46年まで走っていたそうです。
中に入ってみると休憩スペースになっています。2012年頃は「カグーくん」という大きな鳥のぬいぐるみが置いてあったのですが、最近見たらありませんでした。どこに行ったのでしょう。
ひだまり広場
カフェや軽食メニューが注文できる屋内休憩所があります。
野毛山公園の中だとレストラン的な場所は動物園のひだまり広場だけとなります。
なかよしショップ
出入口近くに「なかよしショップ」がありアニマルグッズやお土産の購入ができます。
提供されているソフトクリームもおすすめです。
まとめ
以上、野毛山公園と野毛山動物園についてまとめました。
調べてみると、地区ごとに整備を加えられ、時代ごとに姿を変えながら現在に至っているのだなと実感。野毛山公園は横浜の歴史がたくさん詰まった公園です。
野毛山動物園だけ楽しんで帰るというのもありですが、その後は公園の方にも足を伸ばして、公園でのんびりしたり、展望台に上ってみたり。歴史を発見するのも楽しいですよ。
基本情報
- 名称:野毛山公園
- 住所:横浜市西区老松町
- URL:http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/