横浜のシルク博物館(シルクセンター)で絹の歴史学んできた!見どころ、所要時間、お土産店舗もご紹介
横浜・山下公園通りにあるシルク博物館(シルクセンター2階)で、養蚕、生糸、絹貿易にまつわる横浜の歴史などを学んできたので、シルクセンターの場所とアクセス、展示の見どころ(生きたかいこも見れる!)、所要時間、シルク博物館のお土産についても紹介します。
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シルクセンターの場所とアクセス
シルクセンタービルは中区の開港広場の近く、大桟橋通りと山下公園通りの角に建つビルで、シルク博物館の受付はその2階にあります。
電車での最寄り駅は、みなとみらい線「日本大通り駅」です。3番出口より徒歩3分でアクセスできます。
シルクセンターの目立つテナントとしては、1階の路面に「ジョナサン 山下公園店」「Fit Care DEPOTシルクセンター店」があるので目印にすることができます。
シルクセンターの由来について
区画内、交差点の近くに立つ銅像は「絹と女」といい、シルクセンターゆかりのもの。周囲は桑の木で囲まれています。
銅像の前には「史跡 英一番館跡」という碑があります。かつて、この場所には英国商社ジャーディン・マセソン商会(英一番館)があり、外国人居留地一番地でした。シルクセンターはこの跡地に建てられたものです。
ちなみに、シルクセンターの商店街(1階~地下1階)は「英一番街」という名称になっており、カットサロン「シルク」など店名にシルクがついたテナントも多くあります。
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シルク博物館の入口
シルク博物館の入口は2か所あります。
1つは山下公園側にある外階段です。
外階段で2階に上るとメインエントランスがあります。
もう一つ、大桟橋通り側にあるシルクセンタービルの玄関口からも入場可能。
私たちは、シルク通り沿いに建つ「ホテルJALシティ関内 横浜」からアクセスしたので大桟橋通り側にある入口を利用することになりました。
2階に上がると、ビルの踊り場に室内側の入口(サブエントランス)が発見できます。
途中にあったビル内の掲示を確認しますと、シルクセンターは1959(昭和34)年に竣工。建設にあたっては当時最先端のモダニズムが取り入れられており、近代建築物として価値がある旨が記されています。
シルク博物館のフロアマップもありました。展示物はビルの2階と3階にありますが、博物館の出入口は2階のみとなります。
また、隣にあるパスポートセンター(産業貿易センター2階)に行きたい人がシルクセンターに迷い込んでしまうようで、館内に案内書きが複数見られました。両ビルは中地下1階から通り抜け可能となっているようです。
シルク博物館の開館時間・休館日・入館料
開館時間
9:30~17:00(最終入館は16:30)
※ショップの営業時間は12:00~17:00
休館日
月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始、臨時休館あり
入館料
一般500円、シニア(65歳以上)・大学生300円、高校生・小・中学生100円
※シルク博物館の公式サイトにある「入館カード(クーポン付き)」を印刷、必要事項を記入して持っていくと割引を受けられます。
シルク博物館の見どころ
シルク博物館は横浜開港100年の記念事業として、昭和34年(1959年)に開館しました。
写真撮影は一部NGのところがあり(表示があります)、それ以外はフラッシュなしで撮影OKとのことでした。
シルク博物館1階(※ビル2階)
ふしぎファーム
シルク博物館1階フロアには、繊維としての絹についての基礎知識、養蚕のしくみがわかる展示が並びます。「蚕の蛾」の標本もあり、脳内にモスラという単語が浮かびました。
奥側は、まゆから生糸にする機械や布を織る機械などの展示、染色と織物の種類に関する展示がありました。
機織り体験ができます(受付への声掛け等めんどうなのでパス)。
まゆの糸くり体験もできます。
ハンドルをまわすと、まゆから細い糸がとられ装置に巻き付けられていきます。単純ですがハマる作業です。
私としては「お蚕ハウス」と命名したかったのですが、正式名称は「回転蔟(かいてんまぶし)」。蚕の繭づくりに最適サイズに仕切られており、蚕の習性によって自然に回転する機械です。
コメの品種がさまざまあるように、かつてはまゆにも多くの品種があったのですが、国として作る品種を限定したため、選ばれなかった品種は無くなってしまったそうです。
まゆを見ている時点では養蚕も楽しそうとか思っていたのですが、生きた蚕がうごめく姿を見た瞬間、私には養蚕は絶対無理だと思いました。
ちなみに蚕はトレーの中に入っており、遠目から見たら「葉っぱ&枝」にしか見えないので、虫が苦手な人はスルーできます。敢えてガン見すると動いているのがわかります。
こちらは絹製品を作るためにどれだけのまゆが必要かというのが一目でわかる展示で、着物一式には9000粒のまゆが使われているそうです。
糸ではなくまゆ単位なので…。ピンと来るような来ないような。
結城紬の手織り機です。入場した時、一瞬機織りの先生が実演してるのかと思った私。マネキンだったことにドキドキしました。
こちらは日産自動車に吸収されたプリンスの自動繰糸機です。自動車メーカーがこのような機械を作っていたというのが面白いと思いました。
機械の中の箒はまゆをこすって端っこを探すためにあります(先ほどの糸くり体験コーナーで学習)。
しらべライブラリ
1階後半のフロアに抜けると、2014年にユネスコの世界文化遺産として登録された富岡製糸場のジオラマがあります。この富岡製糸場からの生糸も、横浜港(生糸輸出港としてほとんどのシェアを占めていた)から輸出されたわけですね。
「シルクと横浜」にまつわる展示があり、横浜港は生糸輸出により発展し、国内随一の生糸市場を形成したことや、横浜で起こったスカーフ産業についても触れられています。
順路に従い、上のフロアへ行きます。階段近くにお手洗いがあります。
シルク博物館2階(※ビル3階)
シルクのあゆみ
シルク博物館2階は、フロア全体がほぼシルク衣装館でした。
「世界編」「日本編」があり、世界編は各国の色鮮やかな民族衣装が展示されています。
日本編は、日本の衣装が時代別(土古時代、飛鳥時代、奈良時代、平安時代、飛鳥時代、鎌倉時代、室町時代、桃山時代、江戸時代、明治・大正時代)に展示されていて、衣装自体はとても興味深かったです。
しかし、お顔がリアルなマネキンで当時の人の衣装を再現しているため、全体的になんとも不気味なのです(歌舞伎のものは比較的怖くないので載せてみました)。
先の展示にあった機織りマネキンで何となく嫌な予感はしたのですが…。
時代が進むにつれて、マネキンの数が増えて行き、蝋人形のような感じのが全部で20体以上はいたでしょうか(興味のある方には実際にご覧になってみてください)。目が合いそうな気がして1人で見ているときはゾクゾクしてしまいました。
映像ライブラリーがあり、座って動画を鑑賞できるコーナーがあります。映像の本数は圧巻で、各項目に対して20分前後の動画が数十本ありますので、全部見ようとしても1日では終わらないレベルです。
私たちは、お蚕さんがまゆを作って、蛾になって出てくる動画を1本だけ見てみました。気持ち悪いけど、動画で見るとすごくわかりやすい。蚕の蛾は飛べないというのも学びました。
つまらないTV番組を見るなら、モノづくりにまつわる動画を見ていた方が全然楽しいと感じてしまいます。シルク博物館の映像ライブラリーがネットにあったら課金してでも見たいくらいでした。
最後に「生糸商標」の展示がありました(この辺は、定期的に展示物が入れ替わるようです)。
「生糸商標」は製糸会社が輸出用に作ったラベルで、独特の凝ったデザインになっています。現代の感覚で見ても色遣いや文字デザインが美しく、ずっと見ていられる展示です。
当時、製糸工場は日本全国にあったので、ご自身の出身地のご当地商標を見つけることができるかも。
ギフトショップのお土産
順路に沿って階段を降りると、受付前のエントランスに戻ります。
近くにミュージアムショップがあり、シルクのスカーフ、クリアファイル、絵葉書、まゆでつくったマスコットなどが販売されています。
シルク博物館・開館60周年記念の「まゆるんのクリアファイル」がミュージアムとしてのおすすめ商品のようです。
訪問時は午前中だったので、あいにくショップが開いておらず(12時から開店)、準備中の状態を撮影してます。
いちおうショップはシルク博物館の無料エリアにあるので、入館にかかわらずいつでもお買い物はできます。ただし、博物館が休館日のときはショップも休みとなるのでご注意ください。
シルク博物館の所要時間
以上、シルク博物館体験記でした。所要時間はゆっくり見て1時間程度でした。サラッと見るなら30分くらい~で回れるかと思います。
展示としては地味なのかもしれませんが、横浜の礎となったシルクについて考えるひと時があってもよいかと思います。衣装展示コーナーの古のマネキン群は個人的穴場珍百景となりました。
基本情報
- 名称:シルク博物館
- 住所:神奈川県横浜市中区山下町1番地 (シルクセンター2階)
- URL:https://www.silkcenter-kbkk.jp/museum/