横浜市開港記念会館(ジャックの塔)でステンドグラス見学!歴史と見どころをガイドがわかりやすく解説
横浜市開港記念会館(ジャックの塔)には、開港当時を描いた美しいステンドグラスがあり、入場料は無料です。ボランティアガイドさんにわかりやすく見どころを案内していただき、見学と撮影をしてきました。横浜市開港記念会館へのアクセス、歴史、館内の見所をご紹介します。
※2021年12月1日~2024年3月まで改修工事のため休館中。
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横浜市開港記念会館のアクセス
- JR京浜東北線・根岸線「関内駅」南口から徒歩10分
- 市営地下鉄線「関内駅」1番出口から徒歩10分
- みなとみらい線「日本大通り駅」1番出口から徒歩1分
日本大通り駅が最寄りとなります。関内駅下車の場合は、みなと大通り(横浜市役所と横浜スタジアムの間の大通り)に出たら、大通りを海方向に進みます。
横浜市開港記念会館(ジャックの塔)の歴史
横浜市開港記念会館は、横浜開港50周年を記念して横浜市民からの寄付で建設された記念建造物です。赤レンガの時計塔として親しまれており、国の指定重要文化財にも指定されています。
外壁は腰石まで花崗岩積み、1階・2階は赤煉瓦と花崗岩を積み上げた辰野式フリークラシックスタイル。建物内部にもステンドグラスが使用されるなど大正期の華やかで優れた意匠が施されています。
- 1917(大正6)年…竣工、開館
- 1923(大正12)年…関東大震災、時計塔と壁体だけを残し焼失
- 1927(昭和2)年…再建(ドーム以外)
- 1945(昭和20)年~1958(昭和33)年…米軍が接収
- 1959(昭和34)年…中区の公会堂になる
- 1978(昭和53)年…貴賓階段室ステンドグラス修復
- 1989(平成元)年…市政100周年・開港130周年を記念し、ドーム復元。
国の重要文化財に指定 - 2009(平成21)年…開港150周年を記念し、2階広間のステンドグラス修復
関東大震災で建物の内部やドームを焼失したものを1927年に再建、平成のドーム復興を経て現在に至っています。
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「横浜市開港記念会館」と「横浜開港資料館」
こちらは「横浜市開港記念会館」デス。
しかし、入口には親切なことに「横浜開港資料館」の案内図が。名前が似ているので迷い込んでしまう人が多くいらっしゃるようです。
横浜開港資料館は、山下公園の近くにあります。
「開港」の名前が似ていることに加え、両方神奈川県庁の周辺にあるのでややこしさが増すのですよね。
初見学はボランティアガイドがおすすめ
無料ボランティアガイドの案内が出ていました。案内時間は10時から16時までです。
横浜市開港記念会館のエントランスには、施設見学者だけでなく当日会議室利用の参加者など様々な人が訪問していました。
やや戸惑っていたところ、上記のボランティアガイドさんから声を掛けられたので案内をお願いしてみました。
広い館内で、見学エリアは一部に限られています。また、館内には随所に説明文があるのでセルフで見学することも可能です。
しかし、初めて見学されるのであれば、ガイドさんに案内してもらうのがおすすめ。説明文に書いていないお話なども伺うことができますよ。
横浜市開港記念会館の見所
木製階段と大窓
木製の階段を上り2階へ。
踊り場の大窓、一種のステンドグラスでしょうか。優美です。
この踊り場の窓からはキングの塔(神奈川県庁本庁舎)が見えるのですが、訪問時はあいにく工事中のため覆いで囲まれた姿でした。
講堂
2階に上がってすぐの扉を開けると、1階から吹き抜けになった講堂が見られるということでしたが、この日は会議で使用中だったためしっかり見学することはできませんでした。
横浜市開港記念会館パンフレットを撮影したものです。
見学できないと言いつつ、ガイドさんの計らいで1階から少しだけ中を覗かせてもらうことができました。
2階広間のステンドグラス
アーチ状の梁が目を引く2階の広間に、大きなステンドグラスが入っています。
開港当時の交通に関する様子を表現しているそうで、左が「呉越同舟」、右が「箱根越え」、中央は「鳳凰」と呼ばれています。この鳳凰が中心に抱くのは…なんと横浜市の市章「ハマ菱」であるということです。
訪問時は、開港150周年のステンドグラス再生の様子が近くでパネル展示されていました。
資料室
ステンドグラスの奥は横浜市開港記念会館の展示室になっています。
こちらに、ステンドグラスの修復前のオリジナルの顔パーツ、鉛桟と補強棒、昭和2年の竣工時の鉛桟などが展示されていました。
また、開館当時や関東大震災後の復元工事の様子を見ることが出来ます。
横浜市開港記念会館のドーム復元は平成になってからですが、ガイドさんから放置期間が長かった理由など伺いました。
時計塔のらせん階段
資料率の一方の端は、関東大震災を耐え抜いた高さ約36mの時計塔の内部となっています。
塔に上がる螺旋階段。
普段は開放されていませんが、横浜三塔の日(3月10日前後)などのイベント時には塔を登ることができるようです。
横浜三塔物語について
神奈川県庁(キング)、横浜税関(クイーン)、横浜市開港記念会館(ジャック)を横浜三塔といい、この三塔を同一視界内で見られる場所が3か所あります。
場所は、日本大通り・大さん橋・赤レンガパーク内の3カ所で、これらを1日で巡ると、願いが叶うという伝説「横浜三塔物語」があります。
ちなみに、三塔(キング・クイーン・ジャック)を1日で回るのは簡単です。しかし、日本大通り・大さん橋・赤レンガパークを一日で巡るのは微妙にめんどい距離感だなーと思ったりします。
和田英作画伯の絵画など
2階の広間には、横浜にまつわる絵画が複数展示されています。
横浜村の風景。
明治後期の横浜。ともに昭和18年に文化勲章を受章した和田英作画伯の作品です。
建物細部
明治時代における最高の耐震構造「碇聯鉄構法(ていれんてっこうほう)」が採用された壁の一部と鉄帯、赤レンガ。エレベーター設置工事のため切り取られたそう。
建物エレベータ付近でも「碇聯鉄構法(ていれんてっこうほう)」を確認することができます。
また、バリアフリー化により床が底上げされましたが、一部当時のタイルが見られるようにくりぬかれている部分があります。
貴賓階段室ステンドグラス
貴賓室手前の階段に美しいステンドグラスがあります。
幕末に来航したペリー提督の黒船 「ポーハタン号」、アメリカ国旗もポイント。
貴賓室
来客をもてなした8角形の部屋。足を踏み入れることはできませんが覗くかたちで見学できます。
当時の来客は、こちらのドームがある棟の扉から招かれたそうです。
お客様はステンドグラスを見ながら、2階へ。
ちなみに、このステンドグラスの輝き方は1階からと2階からでは違ったように見えます。
2階に到着すると、斜め前方に現れるのが貴賓室ということになります。
最後に
横浜市開港記念会館に来たのは2回目です。初回は自分で見たのであまり記憶に残りませんでしたが、2回目はガイドさんの案内で記憶に残る部分が多かったです。
ガイドさんは横浜市開港記念会館への愛があふれる方です、たぶん。講堂の見学ができなくて残念がっているのが印象的でした。
時間は15分程度でしたので、長すぎす短すぎずちょうどよい感じでした。
館内には自販機コーナーがあるのでちょっとした休憩もできます。
基本情報
- 名称:横浜市開港記念会館
- 住所:横浜市中区日本大通35番地
- URL:https://www.city.yokohama.lg.jp/naka/madoguchi-shisetsu/riyoshisetsu/kaikokinenkaikan/