横浜そごう美術館「松尾敏男展 清心な絵画」に行ってきました
2018年9月8日から、横浜そごう美術館で開催されている「松尾敏男展 清心な絵画」に行ってきましたので、展示の内容や感想、販売グッズの情報をまとめました。
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「松尾敏男展 清心な絵画」概要
「松尾敏男展 清心な絵画」は、日本美術院の前理事長で、文化勲章受章の日本画家・松尾敏男(1926~2016)の没後初の回顧展です。
展示作品については、約70年の絵画人生における生前最後の展覧会として、松尾敏男本人が構成を練り選定を行った約50点が展示されています。
松尾敏男について
松尾敏男(1926~2016)について、簡単に書き留めました。
- 1926年 長崎市に生まれる
- 1943年 堅山南風に師事
- 1949年 再興第34回院展初入選「埴輪」以後院展に出品を続ける
- 2009年 第五代日本美術院理事長に就任(第四代理事長:平山郁夫)
- 2012年 文化勲章受章
- 2016年 90歳没
受賞歴など詳細なプロフィールについては、日本美術院ホームページに掲載がありました。
また、松尾敏男の前に日本美術院理事長であった平山郁夫の過去に開催された美術展「平山郁夫シルクロードコレクション展」については下記に詳細があります。
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「松尾敏男展 清心な絵画」感想
ここ数回、そごう美術館で開催される「院展」についてはチェックを欠かしていないのですが、タイミング的に松尾敏男氏が故人になった後です。したがって、松尾敏男の作品をじっくり鑑賞したのは今回が初めてでした。
展示の最初のほうで、院展に出品したのだけど残念ながら落選してしまった作品というのも展示されていました。
初期のころは力強い雰囲気の抽象画を描いており、後に繊細な写生を重視した画風になったというのがピカソと逆?みたいな感じで興味深かったです。
個人的に親近感を持ったのは、2001年の「朝つゆ」という作品。アサガオの隣で2匹の猫がくつろいでいる絵です。解説に松尾敏男は猫好きだった旨が書いてあり、単なる被写体ではなく愛情をもって描いているのだなと感じ、ほっこりしました。
牡丹の花のスケッチの展示からは、尋常でない絵の上手さが際立って見えます。展示の最後の方にビデオ上映があり、故郷である長崎の風景を描いているのですが、下絵のスケッチは鉛筆ではなく筆。一発勝負で風景を描き上げていて、神業を感じました。
最後の作品「玄皎想(げんこうそう)」が撮影OK
松尾敏男、事実上の絶筆「玄皎想(げんこうそう)」。この作品のみ撮影OKとなっていました。
はかなく消え入りそうな牡丹の花、隅に小さく安らかに眠る猫が描かれており感情にグッとくるものがありました。
さらに、解説の「牡丹の下で安らかに眠る猫は松尾自身であろうか」で、ちょっと泣きそうになりました(ビデオに映っていた松尾敏男氏がかなりお爺ちゃんだったし)。
「松尾敏男展 清心な絵画」グッズ
そごうのミュージアムショップで、グッズが販売されています(開催期間中限定)。
公式図録と松尾敏男の著書が販売されていました。
ショップはオープンスペースなので自由に出入りできます。
わたくしは「朝つゆ」と「玄皎想(げんこうそう)」のクリアファイル、ポストカード、マグネットを買ってしまいました。
基本情報
- 名称:「松尾敏男展 清心な絵画」
- 開催期間:2018年9月8日~10月14日
- URL:そごう美術館公式サイト